医院ブログ BLOG

雲

2025.07.04

矯正歯科の治療例(症例)の見方とチェックポイント

当院のWebサイトでは、矯正治療を検討されている方向けに、実際に当院で矯正治療を受けた方の治療例を掲載しています(治療例を見る)。

ご自身の歯並びに似た症例があれば、
①どのような診断名がついたのか
②何の矯正装置で治療をしたのか
③抜歯はしたのか
④どれくらい期間や費用がかかったのか
などを、ご参考にしやすいかと思います。

また、アフター写真は歯列矯正後の結果をイメージするのにも役立ちます。

今回は治療例ページの見方とチェックすべきポイントについて、詳しく解説します。

治療例の各項目の見方

主訴

主訴とは「患者様がお伝えくださった症状のうちの、主要なもの」のことです。

例えば、
歯並びがガタガタで困っている
・出っ歯に悩んでいる
・横顔を見ると口元が出ている
・歯の隙間が気になる
・前歯で物が噛めない
・歯が生えてこない
などが主訴になります。

お悩みや、お困りのことを教えてください。初診時に予診票へご記入いただいたり、カウンセリング時にお聞きしたりすることで、患者様の主訴を確認します。

診断名

診断名とは、歯科医師が患者様の病状を検査・診察して判断した病名のことです。

診断名を確定することで、診断結果にもとづいた治療計画が立てられます。

叢生(そうせい)

歯が並ぶスペース不足により、歯と歯が重なり合っていたり、ねじれていたりして、凸凹な状態(ガタガタな歯並び)です。

八重歯(やえば)も「叢生」に分類されます。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上の前歯が、正常な位置よりも大きく前に出ている状態です。一般的に「出っ歯」とも呼ばれます。

下顎前突(かがくぜんとつ)

下の前歯が、上の前歯よりも前に出ている状態です。「受け口」とも呼ばれます。

開咬(かいこう)

奥歯をしっかりと噛みしめた際、上下の前歯が噛み合わずに隙間ができている状態です。「オープンバイト」とも呼ばれます。

埋伏(まいふく)

歯が歯茎の中に埋まったまま、出てこない状態です。

アングル(Ⅰ~Ⅲ級)

「奥歯の噛み合わせ」に注目するのがアングルです。上下の奥歯(第一大臼歯)の噛み合わせを評価して「Ⅰ~Ⅲ級」の3段階に分類します。

年齢

矯正を始めた時の年齢です。成長期の子どもと、永久歯が生え揃った大人では、矯正治療のアプローチが異なるため、症例を見る際は年齢にも注目しましょう。

第二大臼歯(12歳臼歯)が生えてくるまでのお子様の場合は、歯が綺麗に並ぶスペースを作り、永久歯が正しい位置に生えるよう促す治療(床矯正など)をおこないます。

永久歯が生え揃った後は、大人と同じ矯正方法になります。

使用した矯正装置

何の矯正装置で歯列矯正をおこなったか分かります。当院では適応症や患者様のご希望に合わせて、矯正装置を選択しています。

マルチブラケット装置

ワイヤー矯正時に、歯につける装置を「ブラケット」と言います。ブラケットに通したアーチワイヤーの力で歯を移動させます。

治療例で紹介しているほとんどの症例は、上下ともマルチブラケット装置をつけて矯正治療をおこなったものです。

歯の表側にマルチブラケット装置をつけるのが「表側矯正」です。

リンガルブラケット矯正装置

リンガルとは「舌側」、つまり「歯の裏側」のことです。リンガルブラケット矯正装置とは「歯の裏側にマルチブラケット装置」をつける矯正方法で、装置がほとんど目立ちません。

マウスピース型矯正装置

薄くて透明なマウスピースを装着し、少しずつ歯に圧力をかけ、歯を移動させます。当院ではマウスピース型矯正装置「インビザライン」を採用しています。

歯科矯正用アンカースクリュー

矯正治療で用いる補助器具(オプション)の1つです。

小さな医療用ネジを歯茎などの骨に埋め込み、矯正装置の固定源にすることで、より効率的で精密な歯の動きが可能になります。 

抜歯部位

歯列矯正のために、抜歯が必要だったか、どの部位を抜いたのかを確認できます。

歯が並ぶスペースが足りず、歯並びがガタガタになったり、前歯が出たりしている場合は、抜歯をすることで歯がアーチ状に綺麗に並ぶスペースを作ったり、歯を後ろへ引っ込めたりできます。

抜歯の対象になる歯

基本的に、噛み合わせに影響の少ない歯(第一小臼歯・第二小臼歯)が抜歯の対象になります。

例えば、抜歯部位に「上顎両側第一小臼歯・下顎両側第二小臼歯」という治療例があった場合は「上の第一小臼歯を両方とも、下の第二小臼歯を両方とも抜いたのだな」と推測できます。

また、「歯が裏から生えてきた」という場合は、乳歯が抜けないことが原因で、永久歯が正しい位置に生えるためのスペースが足りなかったことが原因に考えられます。

その場合は、乳歯を抜歯して、永久歯が正しい位置に移動するよう治療をおこないます。

治療期間

動的治療(矯正装置をつけて歯を動かす治療)にかかった期間のことです。

治療の難易度によっても異なりますが、大人の矯正治療の期間は、約2年半~3年が目安です。

矯正装置を外した後、歯が元の位置に戻ろうとするのを防ぐ保定装置(リテーナー)をつけている期間は含まれていません。

なお、保定期間は治療期間と同じくらいかかります。

治療費用

実際に患者様が支払った費用の総額です。

矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費(自由)診療のため、保険適用の診療と比較すると、費用は高額になる傾向にあります。

当院のトータルフィーとは

当院は矯正治療全過程にかかる治療費を、初診カウンセリング時にご提示する「トータルフィー」制度を採用しています。

費用には、装置料・技術料・保定料・観察料・歯のクリーニング料の全てを含んでおり、月々の調整料や処置料はかかりません。

リスク・副作用

矯正治療をおこなう上で考えられる、リスクや副作用をまとめたものです。詳しい内容はカウンセリングや診察時にご説明します。

写真

初診時・治療中・治療後のお口の中や、患者様の横顔の写真を掲載しています。

治療過程において、歯や噛み合わせの変化を視覚的に分かりやすく確認できます。

矯正治療の仕上がりについて判断する際は、次のポイントをチェックしてみてください。

・上下の前歯の真ん中(正中)が一致している
・左右の歯並びが左右対称になっている
・歯の先端部分のバランスが整っている
・歯と歯茎の境目が均一である
・歯と歯の間に隙間がない
・奥歯がしっかりと噛み合っている
・横顔のバランスが整っている(Eラインの形成)

治療例を参考に
納得のいく矯正治療を

治療例は、矯正治療を検討している方にとって、参考になるところは多いと思います。ただし、症例ページはあくまで一例とお考えください。

ご自身と似たような歯並びでも、診断名や使用する矯正装置、矯正にかかる費用・期間などが異なる場合もあります。

ご自身やお子様の歯並び・噛み合わせで気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

TOPへ戻る