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雲

2025.07.04

上下とも舌側矯正とハーフリンガル、どっちが良い?

舌側矯正をお考えの方の中には、フルリンガルとハーフリンガルのどちらが良いか、迷われている方もいらっしゃるかと思います。

✓ フルリンガル(上下ともに歯の裏側に装置をつける)
✓ ハーフリンガル(上は歯の裏側、下は歯の表側に装置をつける)

見た目や費用、話しやすさなど、気になることは多々ありますよね。

今回の記事では、フルリンガルとハーフリンガル、それぞれの特徴や違いをご紹介します。ご自身に合った矯正法を考える際の、参考の一つにしていただけたらと思います。 

ハーフリンガルとフルリンガルの違い

フルリンガルハーフリンガル
装置の見た目全く見えない下の歯の装置が見える
(上の歯は見えない)
痛み変わらない変わらない
違和感・発音への影響あり少なめ
費用高め比較的安い

それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

1.見た目の違い

フルリンガル

フルリンガルは上下ともに歯の裏側(舌側)に矯正装置がつきます。そのため、口を大きく開けたり、口の中を覗き込まれたりしない限りは、装置が見える心配がありません。

ハーフリンガル

一方、ハーフリンガルは、下の歯の表側に装置がつきますが、装置の大部分は下唇で隠れます。

歯を見せて笑うと装置が見える場合がありますが、最も目立つ上の歯は、裏側に装置がついているので、フルリンガルより目立ちにくいです。

クリアブラケット装置

また、当院の表側矯正には、透明な「クリアブラケット装置」を使用しています。ギラギラした金属の矯正装置よりも、歯の色に馴染むので、矯正中だと気付かれにくいのがメリットです。

2.発音への影響

フルリンガルは、上下とも舌側に装置があるため、舌のスペースや置く位置に慣れず、慣れるまで話しにくさを感じる場合があります。

また、舌の側面が装置と当たりやすいので、痛みを感じたり、口内炎ができたりすることもあります。

ハーフリンガルは、下の歯は表側に装置がつくので、フルリンガルよりも話しやすいです。

3.痛みの違い

フルリンガルでもハーフリンガルでも、矯正時の痛みの程度に大きな差はありません。装着を装着・調整した直後は、締め付けるような鈍い痛みを感じやすいです。

ただし、過蓋咬合で上下の前歯の重なりが大きい方の場合、ハーフリンガルにすると、上の歯の舌側につけた矯正装置が、下の前歯の装置に接触しやすくなり、痛みを覚えることがあります。

そのため、フルリンガルの方が、接触による負担や不快感を軽減できます。

4.食事時の注意点

ハーフリンガルの場合、下の歯は表側に矯正装置がつくので、歯と装置の間に食べ物が詰まった際に、他の人から見えやすいのがデメリットです。

また、装置に着色汚れの心配もあるため、食べるものに気を使います。

フルリンガルは食べ物が挟まっても、他の人に気付かれる心配がなく、最後まで食事を楽しむことができます。

5.清掃のしやすさ

ワイヤー矯正は、ご自身で装置の取り外しができない分、清掃が十分に行き届きにくく、虫歯のリスクが高まります。そのため、日々の丁寧なケアがとても大切です。

フルリンガルは、上下とも歯の裏側に装置があるため、磨き残しが多くなりやすい傾向があります。

一方、ハーフリンガルは、表側に装置がつく下の歯については、鏡を使って確認しやすく、磨きやすいというメリットがあります。

舌側矯正中の歯磨きのコツや、おすすめのケアアイテムについては、下記のブログで詳しくご紹介しています。ぜひ合わせてお読みください。

5.費用

当院の舌側矯正・ハーフリンガルにかかる費用は、下記の通りです。

フルリンガルハーフリンガル
矯正相談無料無料
検査・診断44,000円(税込)44,000円(税込)
基本矯正料1,155,000~1,375,000円(税込)990,000~1,155,000円(税込)
総計1,199,000~1,419,000円(税込)1,034,000~1,199,000円(税込)

症例の難易度によって矯正料が異なりますが、フルリンガルにすると、ハーフリンガルよりも1~2割ほど高くなります。費用面を考えて、ハーフリンガルを選ばれる方も多いです。

6.診療時間の長さ

歯の裏側は、表側に比べて凸凹していて構造が複雑です。それに伴い、舌側矯正に使用する矯正装置の構造も複雑になっています。

そのため、舌側矯正は、装置を取り付けたり、調整をしたりする際に時間がかかります。

ちなみに、舌側矯正は表側矯正と比べて「治療期間が長い(歯が動くのに時間がかかる)」と言われることがありました。しかし、現在は装置や治療技術の進歩により、表側矯正と治療期間に大きな差はなくなっています。

結論:どちらを選ぶべき?

✔ フルリンガルが向いている人

  • 矯正装置を完全に見えなくしたい
  • 費用よりも見た目を優先したい
  • 話しにくさがあっても大きな問題がない

✔ ハーフリンガルが向いている人

  • 矯正装置が多少見えても大丈夫
  • なるべく費用を抑えたい
  • 違和感や発音への影響を少なくしたい

フルリンガル、ハーフリンガルともに、それぞれメリット・デメリットがあります。ライフスタイルや予算面、装置が与える影響などを踏まえたうえで、ご納得のいく選択をしていただきたいです。

ご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。
患者様お一人ずつに合った矯正方法を、一緒に考えていけたらと思います。

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