2025.07.24
矯正中もコーヒーを飲みたい!インビザラインやワイヤー矯正でも安心して飲む方法

コーヒーが好きな方にとって「矯正中もコーヒーは飲めるの?」は、気になるところだと思います。
結論から言えば、マウスピース型矯正装置(インビザライン)とワイヤー矯正、どちらも注意点はありますが、矯正中もコーヒーブレイクを楽しむことができます。
今回はインビザラインとワイヤー矯正、それぞれのコーヒーの注意点と飲み方をご紹介します。
マウスピース型矯正装置
(インビザライン)の場合

マウスピース型矯正装置(インビザライン)を使用した歯列矯正では、薄くて透明に近いマウスピースを装着して歯並びを整えます。
マウスピース型矯正装置で
注意が必要な理由
マウスピース型矯正装置を用いた歯列矯正では、コーヒーを飲む際に以下の理由で注意が必要です。
マウスピースの着色の原因になる

マウスピースは透明なため、濃い色合いのコーヒーによって茶色く着色してしまう可能性があります。
インビザラインをはじめ、マウスピース型矯正装置は、目立たない矯正として人気があります。
一方で、着色汚れがあるとマウスピース自体が目立ちやすく、他の人に不潔な印象を与えかねません。
またアタッチメントや顎間ゴムを併用している場合も、色移りのリスクがあります。
変形の可能性がある
矯正に使用するマウスピースの耐熱温度は40℃ほどです。
そのため、マウスピースをつけたままホットコーヒーを飲むと、熱でマウスピースが変形することがあります。
マウスピースが変形すると、歯に適切な力が加わらなくなったり、再作製が必要になったりして、治療計画通りに矯正が進まなくなる恐れがあります。
また、熱いお湯でマウスピースを洗うのもNGです。お水やぬるま湯で洗いましょう。
虫歯のリスクが高まる
甘いコーヒーを飲んだ後、すぐにマウスピースを装着すると、歯とマウスピースの間に糖分が残り続けるため、虫歯のリスクが高まります。
虫歯になると、歯列矯正を一旦ストップさせ、虫歯治療が優先になるので、治療期間が延びる場合があります。
マウスピース矯正装置で
矯正中のコーヒーの飲み方
基本的に、マウスピースを装着時に飲めるのは「お水」だけです。
それを踏まえて、マウスピース型矯正装置での矯正中にコーヒーを楽しむための方法をご紹介します。
飲む前に必ず外す

コーヒーなどお水以外の飲み物を飲む際は、必ずマウスピースを外しましょう。
どうしても外せないタイミングでコーヒーを勧められた場合は「今、歯列矯正中で、マウスピースを外すのが難しいので、後でいただきます。お気遣いありがとうございます」と伝えると良いかと思います。
水で口をゆすいでから再装着する
そのままマウスピースを再装着すると、コーヒーがそのままマウスピースに付く恐れがあります。
お水で口をゆすいで、コーヒーを洗い流してから、マウスピースを付け直しましょう。再装着の前に歯みがきもできると更に良いです。
マウスピースの洗浄をこまめにする
汚れの付着を防ぐためにも、マウスピースの洗浄はこまめにおこないましょう。外したタイミングで、マウスピースを流水で洗い流す習慣をつけましょう。
週1~2回のペースで、専用の洗浄剤でつけ置きをすると、マウスピースを清潔に保てます。
ワイヤー矯正の場合

ワイヤー矯正では、歯にブラケット装置をつけ、装置に通したワイヤーの力を利用して、歯を移動させます。
ワイヤー矯正で注意が必要な理由
ワイヤー矯正はマウスピース型矯正装置と違い、装置を付けたままコーヒーを飲めますが、口の中にコーヒーが残りやすいのがデメリットです。
ゴムが変色する
ワイヤー矯正で使用するゴムには「モジュール」と「顎間ゴム」があります。
いずれのゴムも透明~白色なものを使用することが多いので、コーヒーを飲んだ際に色がつくリスクがあります。
モジュール

モジュールとは、ブラケット装置とアーチワイヤーを留めるゴムのことです。
当院では、マルチブラケット装置に「透明のプラスチック製(クリアタイプ)」と、「セルフライゲーションブラケット装置(クリッピーC・デーモンクリア)」を採用しています。

(クリッピーC・デーモンクリア)
セルフライゲーションブラケット装置では、モジュールが不要なため、着色の心配がありません。
顎間ゴム

顎間ゴムは、歯を動かしたり、噛み合わせを調整したりする際に使用します。
顎間ゴムはご自身で取り外しが可能なため、気になる場合は外しても構いません。ただし、飲んだ後はすぐに付け直してください。
歯が着色しやすくなる
コーヒーに含まれるポリフェノールは着色汚れ(ステイン)の原因になります。
マウスピース型矯正装置と違って、ワイヤー矯正では、そのままコーヒーを飲めますが、その分、歯に着色汚れはつきやすくなります。
虫歯のリスクが高まる
ワイヤー矯正は歯に矯正装置がつくことで、装着周辺に汚れが溜まりやすいです。
歯ブラシなどのケア用品を使っても、落としきれない場合があります。
コーヒーに限りませんが、甘い飲み物には糖分が含まれています。口の中に糖分が残り続けると、虫歯の原因となる細菌が糖と反応して酸を出し、歯の表面を溶かしてしまいます。
虫歯を防ぐためには、飲んだ後のケアが必要不可欠です。
ワイヤー矯正中のコーヒーの飲み方
ワイヤー矯正中の歯の着色や虫歯のリスクを抑えるために、下記のような対処法を取り入れると効果的です。
ミルク入りのコーヒーを選ぶ

カフェオレやラテなど、ミルクが入っているコーヒー飲料を選ぶのも一つの方法です。
ミルクによってコーヒー成分が薄まるため、着色のリスクが軽減されます。
ただし、砂糖入りは虫歯リスクを高めるため、できれば無糖を選ぶのがおすすめです。
飲む回数を減らす
コーヒーを飲む回数が多ければ多いほど、お口の中にコーヒーが残る時間が長くなります。
コーヒーの頻度を減らして、矯正中はお水や炭酸水(無糖)を選ぶと、歯や矯正装置へのリスクを減らすことができます。
ストローを使って飲む

コーヒーを飲む際にストローを使うと、歯や矯正装置が直接コーヒーに触れるのを防げます。
ただし、飲み込む際にコーヒーがお口の中に広がるため、着色や虫歯のリスクがゼロになる訳ではありません。
飲んだ後はすぐに口をすすぐ
コーヒーを飲んだ後は、お水で口をすすいで、洗い流しましょう。歯や矯正装置に色素や糖分が付着し続けるのを防ぎます。
しっかり歯みがきをする
さらに着色を防ぐには、歯についたステイン(着色)除去の効果が高く、ステインがつきにくくなる歯みがき剤を使うのもおすすめです。
ワイヤー矯正は磨き残しが起こりやすいこともあり、セルフケアでは落としきれなかった汚れについては、一般歯科で歯のクリーニングを受けて、定期的に除去してもらうと安心です。
舌側矯正という選択肢も

ワイヤー矯正の中でも、舌側矯正は歯の裏側に装置をつけるため、仮に装置が着色しても目立ちにくいです。
また、舌側矯正は装置が常に唾液に触れているため、唾液の自浄作用によって細菌や食べカスが洗い流されやすくなります。その結果、虫歯のリスク軽減も期待できます。
「ワイヤー矯正をしたいけど、着色や虫歯が心配…」という方は、選択肢の一つとして舌側矯正も考えてみてください。
保定期間中も飲み方に注意

矯正治療(動的治療)終了後は、歯並びを安定させる目的で、保定装置(リテーナー)を装着します。
当院では、取り外し可・不可の両方の保定装置を取り扱っています。
取り外し可のリテーナーの場合は、マウスピース型矯正装置と同じく、下記の徹底をお願いします。
✓ つけたまま水以外は飲まない
✓ コーヒーを飲むときは外す
✓ 再装着前に口をすすぐ
矯正中の食事で
迷った際はご相談ください

矯正治療中は、食事関係で悩むことが多いと思います。
「矯正中は、どんな食べ物を避けた方が良い?」「おすすめの食事は?」など、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
患者様のストレスを減らし、なるべく支障なく矯正生活が送れるよう、丁寧にアドバイスいたします。